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歯周病が及ぼす全身への影響

これまで歯周病は、お口の中だけの病気と考えられてきました。しかしながら、近年、さまざまな研究結果から、歯周病を放っておくと、歯周病菌や菌が出す物質によって、心臓病や糖尿病、肺炎や口腔癌、それに妊婦の母親を通して、生まれてくる子供にも影響を与えることが段々と分かってきました。

歯周病が及ぼす全身への影響

歯周病と全身のかかわり

歯周病が多くの疾患に影響を及ぼし、その発症や進行のリスク因子になることが明らかにされています。
ここでは、歯周病と関連があると言われている5つの症状をご紹介します。

糖尿病

糖尿病は、血糖を下げるホルモン(インスリン)が足りなくなったり、うまく作用しなくなることで、高血糖が続く疾患です。
血糖値が高い状態が続くと、様々な合併症が起きやすいとされており、歯周病は糖尿病の合併症の一つとして捉えられています。
糖尿病の人は、糖尿病でない人に比べて歯周病になるリスクが高いという報告や、歯周病の治療によって歯肉の炎症が改善すると、インスリンが働きやすい状態になって、血糖値が改善する可能性があるという報告があります。

 

心疾患

心疾患は、食生活や運動、ストレスなどの積み重ねが引き起こす生活習慣病の一つです。
歯周病のある人は、ない人と比べて心疾患を発症するリスクが高いことが報告されています。
また、歯周病が重篤であればあるほど、その発症リスクが高くなるとも言われています。
これは、歯周病によってハグキで産生された炎症性物質が血流を介して心臓血管にも影響を及ぼすためと考えられています。

 

早期低体重児出産

歯周病の妊娠中の女性に早産や低体重児出産が起きるリスクは健常者と比べ4.3倍程度高いと言われているのです。
妊娠中は、ホルモンの変化などによって歯肉の炎症が起こりやすくなったり、つわりによって口腔清掃が不良になりやすいため、歯周病に罹りやすくなります。
歯周病による炎症性物質が子宮筋の収縮を引き起こして、早期低体重児出産の確率が高まると考えられています。

 

誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)

高齢者に多く見られる病気の一つで、加齢により飲み込む力や咳反射が衰えると、唾液や食べ物が誤って肺に入り、肺炎を起こしてしまいます。これを誤嚥性肺炎といい、唾液中に含まれる細菌が主な原因です。
そのため、高齢者に口腔ケアを行い、歯周病原性細菌等の口内細菌が減少すると肺炎の発症率が下がることが報告されています。

 

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)

骨粗鬆症は、長年の生活習慣などにより、骨がもろく折れやすくなる病気です。
全身的に骨が弱くなると、歯を支える歯周組織にも影響があると考えられています。
一方で、歯周病は、歯を支える歯肉を破壊する病気です。
歯槽骨が弱くなると歯周組織の破壊が進みやすくなるため、骨粗鬆症は歯周病を進行させる一因と考えられています。

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